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特集

幻の黒いダイヤ「ビオレ・ソリエス」

フランス原産の黒いイチジクで、栽培が非常に難しく収穫量が少ないことから「黒いダイヤ」とも呼ばれる「ビオレ・ソリエス」。
日本でも栽培地が数ヵ所しかない希少な品種の栽培が、平成12年頃から佐渡の小木地区で行われています。
そんな高級イチジクを作られている小木イチジク生産組合の石塚雅実組合長を尋ね、「ビオレ・ソリエス」について色々とお聞きしてきました。

栽培を始めたきっかけ

栽培地である小木地区は、田んぼをするために必要な水の確保が地形的に難しい土地も多く、畑として活用している土地がたくさんあります。そんな畑をより有効的に活用できないかと、農業関係の本を読まれている際に、富山県や石川県で自然栽培されているイチジクの記事を見つけたそうです。その記事読み、「労働時間もあまり掛からず、木もそれほど大きくならない」と知り、高齢者でも育成しやすい事から、イチジクの栽培を始めようと思ったそうです。

イチジクの中でも希少な品種であった「ビオレ・ソリエス」を良い状態で栽培し、付加価値を付けて有名にしたいという思いのもと、5名の農家さんで栽培が始まりました。

栽培はビニールハウスの中で行われています。側面は細かな目の網が張られ、害虫の侵入がないよう防がれています。雨に濡れると水分を多く吸収してしまい実が割れてしまう為、収穫前には上掛けビニールを掛けられるそうです。

ビオレ・ソリエスはどうやって作るの?

植え付けから実りまで

ハウスの中には、2~3列で木が植えられています。
同じ時期に育て始めても、木の大きさや実の数には差がでてしまうとのこと。最初の頃は見よう見まねで栽培を始められたそうですが、木が成長するばかりで実があまりならなかったそうです。
肥料の回数や種類を変える等の改良を重ね、実が多く生るようになったそうです。

主枝を4本伸ばす「4本仕立て」

日本で流通しているイチジクの八割は「桝井ドーフィン」という品種で、2本の主枝をうねに沿って水平にのばし、主枝が一直線になる「一文字仕立て」という育て方をしています。

それに対し「ビオレ・ソリエス」は主枝を4本伸ばす「四文字仕立て」まはた「X仕立て」という手法で育てられています。
その手法により、1本の木から多くの実を収穫することが可能になっています。

接ぎ木で病気対策

育てていく上て害虫の問題がありますが、それ以上に厄介なのが「下部枯れ病」だといいます。
掛かってしまうと根っこが茶褐色になり、細かいひび割れが起こるようです。罹った際に処置が遅れると、木自体がダメになってしまうので、罹らないために予防は欠かせないといいます。
下部枯れ病に強い品種の「ブラックイスキア」を台木にして、接ぎ木したものを栽培する計画があり、鉢でその台木を育てられているそうです。

いよいよ収穫!

木の寿命は約15年といわれており、5年目くらいの木で1シーズン約1000個の実を付けるものもあるのだとか!数の多さに驚きです。実が大きくなり、果頂部が赤みを帯びてきたら、そこに植物性の油を塗る(オイル処理)と5~7日程度で熟してくるとのこと。その作業をすることでイチジクが甘くなるだけでなく、出荷の調整も行えるといいます。
そのオイル処理には、温暖な南佐渡にたくさんある椿から椿油を搾りだして使用されています。

即売り切れの大人気!

出荷準備は朝の4時半から

最盛期では、4時半くらいからヘッドライトを付けて収穫を始めるのだとか。出荷量が多い農家さんになると、1パック350g(約7個入り)を1日に100個ほど出しているそうです。

完熟なものを食べてほしいそうですが、輸送の関係で完熟より少し早く収穫し、若干硬い状態で出荷されているのだとか。

石塚雅実組合長に「一番美味しい食べ方を教えてください」とお聞きしたところ、「もちろん生で食べてもらうのが一番美味しいが、生ハムに巻いて食べるのも美味しいらしい」と教えてくださいました。生ハムは意外でしたが、「生ハムメロン」と同じで合いそうですね!

またイチジクは、美容と健康に良いと言われています。血圧を下げたり、お通じを良くする効果があるそうです。

そんな「ビオレ・ソリエス」の出荷しているものは、輸送の関係で糖度が18度くらいのものがほとんどだそうです。18度でも十分甘いのですが、完熟すると23度くらいになるのだとか。
完熟ものは栽培地である小木の販売所などで食べる事が出来ます。その甘さを確かめに、是非みな佐渡までお越しください!

PICK UP

取材させていただいた、小木イチジク生産組合の石塚雅実組合長。「ビオレ・ソリエス」がみんなに知られてきているのが嬉しいといいます。

今後の目標をお聞きすると、「収穫体験が出来るようにハウスを増やしたい。」と教えてくださった。また、若い生産者さんが増えてくれたり、ビオレを使った料理を食べられるお店が小木にできるのを楽しみにしておられるようです。

これからのご活躍にも目が離せません。

小木特産品開発センター

「ビオレ・ソリエス」は通販でも購入可能ですが、完熟で食べごろのものは地元の小木特産品開発センターなどで購入することが出来ます。
ここでは「ビオレ・ソリエス」だけでなく、栽培履歴や無農薬履歴の協定を締結した会員のみの佐渡産野菜や果物などが販売されています。
小木にお越しの際は、ぜひ立ち寄りください!

住所

〒952-0604 新潟県佐渡市小木町1949-1

TEL 0259-86-2587
営業時間

8:30~14:00

休業日

1月1日~1月4日

交通案内

小木港から車で約3分

駐車場

あり 10台

最寄りのバス停

小木(小木線)から徒歩5分

小木港から「小木特産品開発センター」まで車で約

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